必ず守るから、だから、笑って



意外と優しい人なのかな……。


分かりづらいけど。



「妃夢乃さんまだ買いに行ってないよね?一緒に行かない?」



いつ間にかちゃっかり右隣に座っていた翠咲くんに話しかけられる。



え、むしろ桃優以外買ってないじゃ…、と思い周りを見回すとすでに2人は買いに行ったようだった。


いつの間に??



「どれ買いに行く予定?」


「あ、えっと、オムライス食べようかなって」


「俺と一緒!じゃあ、一緒に買いに行こ!」



こうなるんだったらオムライスなんて頼むんじゃなかったな、なんて思いつつも今から変えるのも変なことなので仕方なく一緒に並ぶ。



「妃夢乃さんオムライス好きなの?」



「あー、うん。好きだよ」



「あのさ、美味しいオムライス屋さん知ってるんだけど、よかったら今度一緒に行かない?」



……は?


無視するのも不自然だから適当に答えただけなのに、こっち方面に会話が進むとは思わなかった。



まぁ、オムライスが好きなのは本当なんだけど。



それより私に空いてる時間なんてない。


一刻も早く新堂を潰すために調べたいことは山ほどあるし、体が訛らないように烙さんたちに相手をしてもらっている。



つまりはオムライスを食べに行くほど暇ではないということだ。


しかし、それをそのまま理由にするわけにもいかない。