必ず守るから、だから、笑って




「あれぇ?翠咲くんたちも学食?それなら一緒に食べようよっ!ねっ、のんちゃんっ」



「え、あ、いや、でも、席ふたつしかあいてないし…」



「だいじょーぶだよー。ほら、6つも席空いてるもーん」



ニコニコと笑顔を浮かべているはずなのに、その笑顔はどこか黒かった。


「輝望くん、あの人たちになんか言ったでしょう」




「えー、僕知らなーい」




絶対嘘だよね。



そのお得意のお口で脅したに違いない。



せっかく快く席を譲ってくれたのに申し訳ないことをしちゃった。


でも、名前もクラスも学年も知らない人達だからお礼もお詫びもできないや。


ごめんなさい、と心の中でしか言えないことが申し訳ない。




「じゃあ、一緒に食べるってことで決まりだねぇー」


いち早く座った輝望くんは私の前。


えっと、普通そこは桃優なんじゃないかな。



「おい、もう1個そっち詰めろ」


私を睨むように言ったのは透理くん。



えぇ、なんで女嫌いなのに私の横座るの!?


てか他にも空いてる席あるんだからわざわざ詰めなくても……。


あ、そっか、輝望くんから少し遠ざけてくれたのかな。



おかげで前には桃優が座って、透理くんの前が輝望くんになった。