これは私のミスだ。
もし、この事が実戦だった場合、些細に見えるこのミスは大きなミスとなり、チームの負けに繋がってしまう。
気を引き締めないと。
「まるで蝶みたいだと思った。それと同時にやっと会えた、と思った」
今日、自分から言い出すつもりが最悪の形でバレてしまった。
これも言うのを先延ばしにした私のミス。
自業自得。
「…私は、水煉5代目総長、水蝶だ。今まで隠しててごめん」
「……」
蒼空は黙ったまま。
無理もないよね。
今まで騙してたようなものだ。
せっかく仲良くなったのに、隠し事をしていたのだから。
「…ありがとな。俺、水蝶にずっとお礼が言いたかったんだ」
「え…?」
「俺、水蝶に助けられたことがあるんだ。ちょっとミスって集団でボコられてる時、水蝶がアイツらを返り討ちにしてくれたんだ。希愛がいなかったら今の俺はいない。あの時は、本当にありがとう」
そんな風にお礼を言われるようなことをした覚えはない。
私たちは私たちの"正しい"と思うやり方で守っているだけだ。
それは私たちにとって"当たり前"のこと。
そして、私たちのしていることを"正しい"と思う人は少ないだろう。
夜中に暴走だってするし、喧嘩もするから警察沙汰にもなる。
所詮は暴走族だ。
「あの日から、水蝶含む水煉は俺たちの憧れだ」
そんな風に言われるとは思わなかった。
だけど、1人でも救えたのなら、守れたのなら、それだけでも私たちの存在価値はあるのだと思う。
