蒼空は少しビックリしたような顔でこちらを見ていた。
どうしたのかな?
あ、甘いの食べるのが意外だったのかな。
甘いの嫌いそうってよく言われるし。
「苺入ってるやつ食べるかと思った」
その言葉に少し苦笑いをする。
確かに女の子は苺好きだもんね。
私も苺が1番と言っていいほど大好きだった。
だけど、あの日、両親が亡くなった日から食べれなくなってしまった。
苺を見るとどうしてもあの日のことを思い出してしまう。
言わばこれは"逃げ"だ。
「今はマスカットの気分だったの」
苦し紛れな言い訳。
絶対嘘だってことは蒼空にバレてる。
それでも深く掘り下げないのは蒼空の優しさなんだような。
「今日は希愛に聞きたいことがあって、ここに連れて来た」
少し、蒼空の雰囲気が変わって緊迫感が漂う。
「今日の昼休み、どこに行ってた?」
さっき、学校で聞かれたのと同じ質問。
なんで、2回も。
もしかして、何か知ってるの?
「本当は職員室に行ったんじゃないだろ?校舎裏に呼び出されてたんだよな?」
なんで、知ってるの。
どこまで知ってるの?誰情報?
あの時、ファンクラブの人たちと男たち以外は誰もいなかったし、気配も感じなかった。
「希愛を呼び出したヤツ、俺の周りをチョロチョロしてるヤツだったから後つけたんだ。そしたら大柄の男が3人も出てきたから助けに入ろうとしたんだけど……」
「私が、倒しちゃった……」
まさか、つけられてたなんて夢にも思わなかった。
慢心してないと思ってたけど実は心のどこかで慢心してたのかな。
蒼空がいたなんて最初から最後まで気づかなかった。
