「今に思い浮かんでんの、どんな奴なの?」
「えっと……。」
蒼空は、見た目無愛想でぶっきらぼうに見えるけど、
本当はとても優しくて、でもその優しさはすごくさりげなくて、
私がどれだけ無視しても変わらず話しかけてくれたり、何かあれば気遣ってくれたり、
大人っぽく見えるけど、子供っぽい一面もあって、笑顔が特にいたずらっ子みたいに笑うの。
それで、私自身を見てくれて……。
「どうしよう、まとまらないよ」
「ふっ、言わなくてもわかったよ。希愛、お前今すっごく優しい顔してる」
優しい、顔?
なんか蒼空のことを考えると心がぽかぽかして、胸がきゅうってなる。
蒼空が笑えば私も笑えるし、もっと話したい、一緒にいたいって思う。
蒼空の笑顔は私が守りたい。
「希愛、完全に恋してる顔」
そう言われた瞬間、顔が真っ赤になったのが自分でもわかった。
「私、蒼空が好きなんだ……」
なんだか無性に蒼空に会いたくなった。
「でもまだ、水煉ってこととか何も話してない」
「ははっ、1番大事な事じゃねぇか。希愛が心を開いた数少ない相手なんだ。後悔しないようにな」
後悔……。
うん、そうだよね。
当然のように明日も会えると思ってたけど、それが当たり前じゃないなんて、私がよく知ってる。
