必ず守るから、だから、笑って




「なぁ、早く終わったし、今から倉庫行かね?」



早く終わったと言っても、どうみても深夜だ。


それに今日は木曜日。


つまり、明日は普通に学校がある。


それなのになんてことを言い出すんだ……。




「学校あるし、パス。明日行くよ」



「全国1位の総長ともあろう方が、表向きでは真面目に生徒やってるなんてねぇ」


クククっとバカにしたように言う朔にむっとして思いっきり睨んでやった。


「あー、怖い怖い。そんな睨むなよなー」



怖いと言いながらもビビる様子もないし、笑うのをやめる気配もない。



「朔もちゃんと学校行ってるじゃん。"清らかな心"を忘れず、だよ」




「本当にそれだけかねぇ」



少しドキっとした。


半分図星だったから。


代々、水煉は学校へ行く決まりがあるし、それを守っているのも本当だけど、


最近は蒼空に会いに学校へ行っているようなもの。



朔は頭は悪いけど、妙に勘が鋭い。


もちろん蒼空の話なんて一切したことはないけど、もしかしてバレているんじゃないかとヒヤヒヤする。



「ま、きかなくても顔見ればすぐ分かるんだけど」



さすが朔。


あまり表情の崩さない私の顔を見てわかるなんて、長い時間一緒にいるだけある。


勘が鋭いのもあるのかな。



「好きな奴でも出来たんだろ?」


「えっ!?」



「は?違うのか?」



好き、とか考えたことなかった。



だって蒼空は私に話しかけてくれる唯一の友達だと思ってたから。