必ず守るから、だから、笑って




それから1年も経たないうちに私は総長に、朔は副総長になり、全国1位の族となった。



倉庫も家に居場所がない子たちのために大きくした。

先代達の思い出を壊したくないから、幹部室はそのままにしようと、朔と決めたからそのままにしてある。




その幹部室の壁に掛けられているのは私たちの特攻服だ。


背中には"水煉 5代目総長"の文字と、大きな睡蓮の花が綺麗に刺繍されている。


もちろんこの睡蓮の花の刺繍は私だけではなくみんなの背中にある。




睡蓮の花言葉である「信頼」「清らかな心」を背中に刻み、心を刻む意味で大きく刺繍されている。


そして右袖にはそれぞれの通り名が刺繍されている。


私は、水蝶(すいちょう)。
朔は、水嵐(すいらん)。
幹部の夕紫(ゆうし)は、水透(すいとう)。
同じく幹部の景耶(けいや)は、水狼(すいろう)。
最後の幹部、南都(みなと)は、水麗(すいれい)。



この通り名はそれぞれの戦い方を示していた。



水蝶は、蝶が舞うようにしなやかに、静かに戦い、

水嵐は、嵐のように激しく派手になぎ倒し、

水透は、透き通っているかのように目にも止まらなぬ早さで打ちのめし、

水狼は狼のように、一度狙った獲物は1人も残さず倒し、

水麗は、華麗に無駄ひとつない動きで全滅させる。