仕事、というには少し大袈裟だったかもしれない。
両親が亡くなったあと、私は荒れに荒れまくった。
昔からパパやその友達に喧嘩を教えてもらっていた。
だけど、「守るため以外に喧嘩はしない」というパパとの約束のおかげで、人前で喧嘩をしたことがなかった。
だけど、パパとママ亡くなったあの日から、この寂しさと悔しさ、虚しさをどこにぶつければいいのか分からなくて、気づけば喧嘩をしに夜な夜な出歩いていた。
喧嘩を売られたら片っ端から買いまくっては、気絶させるまで殴っていた。
毎日毎日、誰を守るためでもないのに拳を相手にぶつけていた。
いつからか、"strongest"からとって"SG"と呼ばれるようになった。