必ず守るから、だから、笑って



だから、また無表情に戻し、前を向く。


そしてもう話しかけてこないようにとイヤホンをつける。
もちろん爆音で。


そんな私の抵抗も虚しく、右側のイヤホンはいとも簡単にとられた。


その上、その片方のイヤホンを自分の耳へ持っていった。



「っお前、このバンド好きなの?」



さっきよりも興奮したような声を出したから目線だけ陽名蒼空に向けてみた。


いつもダルそうで無表情が多く、笑顔すら見せないという陽名蒼空がキラキラとした瞳をこちらに向けていた。


……何その顔は。



「俺、このバンド好きなんだけど、周りに好きなやついなくてさぁ」


声でうきうきしているのが伝わる。


まぁ、だからといってなにもないのだけど。



こいつが何を好きかなんてどうでもいい。