その相手と目が会った瞬間、私はとてもあからさまに嫌そうな顔をしてたと思う。


自分でも眉間に皺が寄ったのが分かるほどだったから。



そんな顔になるのもしょうがない。

だって、私を呼んだのは陽名蒼空だったから。



陽名蒼空と言えば、クール、一匹狼、イケメン、そして、モテる。


周りにはいつだって複数人の女子が囲っているし、告白だって後を耐えないらしい。
ファンクラブは他校にまであるとかなんとか。



それなのに、こいつは女子が話しかけても返事はしない、見向きもしない、笑いもしない。
自ら絡みにもいかない。


だから女子たちは1番に仲良くなって彼女になろうと必死なのだ。



そんな人が私に話しかけてきたとなったらどうだろう。


明日には学校中噂まみれだ。



別にあれこれ言われるのは平気だけどまとわりつかれるのは迷惑だ。