友達のいない私でも知っていた。


陽名蒼空。
一匹狼でクール、誰にも笑った顔を見せないとか何とか。


まぁ、私には関係の無い話であって、お互い関わることもないだろう。



「おい」



右隣から低い声がした。


もちろん無視する。
私に話しかけてるとは限らないし。


「おい、妃夢乃希愛」


やっぱ呼ばれてるの私か。

私に話しかけてくるなんてモノ好きだな、と思い目線だけ右に向ける。