「…妃夢乃さん?」 「あっ、えっと、教科書だよね?はいっ、どうぞ」 翠咲くんがくっつけてきた机に慌てて教科書を開いて置いた。 何を動揺してるんだろう。 翠咲くんとあの人は苗字だって違う。 それに、あの人はもうこの世にはいないのだから…。 そう、私の生きる理由だった、陽名 蒼空(ひな そら)は奴らに殺されたのだ。 私の目の前で。