それでも私だって手の内をすべて見せる訳にはいかない。暴走族なら尚更。


「ふふふ。急に耳元で話されたらびっくりしちゃった。ごめんね?」


笑顔を元に戻し、そう答える。



「おい、いち、困ってるだろ」


輝望壱星の横でずっと机に突っ伏してた透理那岐が話した。


えぇ。この人女嫌いとか人間不信とかそんな感じだよね?


なんで助けてくるの?私の読みが間違った?


「なっくんは女嫌いだけど、希愛ちゃんには絡むと思うよ~。だからよろしくしてあげてねぇ?」


また私の心を読んだように輝望壱星が答えてきた。


私、そんなに顔に出てるわけ?


割と感情隠すの上手いと思うんだけど?



「そっか。ありがとう。そろそろ1限始まるから前向くね」