辺りを見回す限りスマホが見当たらないから鞄の中にでも入っているのだろう。
視線を落とせばスヤスヤと愛らしい寝顔の晴葵。
その姿が愛おしくて晴葵の頭を撫でた。
サラサラの髪の毛が指をすり抜けていく。
気がつけばその髪に唇を落としていた。
はっ、と我に返り、慌てて顔を離す。
……なにをしているんだ私は。
晴葵が起きていないかと心配になり、顔を覗き込む。
うん、大丈夫みたいだ。
ほっ、と息をつき、繋がれていたままだった手を離す。
何日もご飯を食べていないせいかお腹が減っていた。
いつから晴葵がいたのかわからないけど、外を見る限り、今は昼くらいな気がする。
その時、ある疑問が頭をよぎる。
平日であろう今日を含め、数日。
私は無断欠席をしてるいるのではないか?
さすがに5日間眠り続けるほど病弱ではないから土曜日なはずがない。
それに晴葵はなんで学校じゃなくてここに?
服装だって制服を着ていない。