ガクっ。 ……マズい。 体がもう限界だと言っている。 立つのもままならないなんて呆れるな。 あとはドアを開けるだけなんだ。 家の中にさえ入ればなんとかなるだろう。 それなのに、視界がボヤけるせいで上手くドアノブを掴めない。 本格的にヤバい…気が、する……。 そうして意識を飛ばす前に、人影がこちらへ走ってくるのがぼんやりと見えた。 気がした。