「じゃあひめ、まんべんなく水かけちゃってー」
溜まっていた水を流しきったプールの底には、案の定たくさんの汚れやゴミがあった。
だからそれをとりあえず水で流すことにした。
そのホース係は私。
プールの中には晴葵と透理くん。
そして、いっくんは蛇口を捻ってくれることになっている。
……晴葵の髪、太陽に照らされて綺麗だなぁ。
ブロンド色の髪は、透き通るようにキラキラとしていて、そよ風がサラサラと揺らしていた。
普通なら根元から少し黒い地毛が見えてもよさそうだけど、晴葵にはそれがない。
よっぽど染めたてなのか、地毛なのか。
地毛ならとても綺麗でサラサラな意味が納得いく。
私は周りの声も聞こえないほどぼーっと晴葵の髪の毛に、いや、もしかしたら晴葵自体に見惚れていた。
そう、周りの声も聞こえないほどに。
「っ!?おい、希愛!」
「えっ?」
珍しく焦っている様子の透理くんが視界に入り、何事かと我に返った頃には、私が持っていたホースはなぜか宙を舞っていた。
……まずい。
このままではどう考えても水が私にかかる。
