「おい、晴葵。目離した隙になに抜け駆けしてんの?」
そんな低い、落ち着く声がしたと同時に晴葵は私から離れた。
いや、離された、という表現の方が正しいかな。
「そーだそーだ!ひめの笑顔は俺も知ってるもんねーっ!」
そこにはいつの間にか晴葵を私から離した透理くんと、あっかんべーをしているいっくんが立っていた。
「透理くん、いっくん、おはよう」
「おはよう、希愛」
「ひめ、おはよーっ!」
「希愛、俺今日おはよう、って言われてない」
「あれ、そうだっけ。ごめんね、色々びっくりしちゃってて」
「おはよ、希愛」
「おはよう、晴葵」
「うん、かわい」
か、かわっ!?
挨拶しただけ、なのに。
晴葵はズルい。
いとも簡単に私をドキドキさせてしまう。
キーンコーンカーンコーン
「げぇ、チャイムなっちゃったよぉ」
「遅刻確定。晴葵のせいだな」
「えー、俺なんもしてないよ」
気がつけばあんなに沢山いた人は誰1人としていなくて、校庭にいたのは私たち4人だけだった。
