必ず守るから、だから、笑って




「なんかちょっと妬けちゃうなぁ」



「……なにが?」




「だってすれ違う男みんな希愛のこと見てデレデレしてるんだもん。希愛は俺のなのに」



「……私、人の事モノ扱いする人苦手」



「うわぁぁあ!ごめん!そういうつもりじゃなくてっ…!」



こんなのただの照れ隠し。


いや、確かに人をモノ扱いする人は好きじゃないけど。



好きじゃないはずなのに、なんだか不覚にもドキっとしてしまって。




それが何だか悔しくて、恥ずかしくて、いたたまれなくなってしまって、可愛げのない言葉を言ってしまった。




そんな私の嘘を本気にしている晴葵はいまだな慌てふためいていた。



それがなんだか可愛くて、愛おしくて、思わずクスッと笑ってしまう。




そうしたらなぜか時が止まったかのように、あれだけザワザワしていた周りがシーンと静まりかえってしまって、慌てていたはずの晴葵はポカーンとした顔をしていた。



でもそれは一瞬の出来事で。



周りから黄色い歓声が聴こえた時には晴葵のおデコと私のおデコがコツン、と合わさっていた。