必ず守るから、だから、笑って





ザワザワ ヒソヒソ




……しまった、忘れてた。



私は今、別の意味で晴葵と登校したことを後悔していた。



人通りの多い道を通ってきたせいもあるのか、新堂の気配は一切せず学校まで辿り着くことができた。




そこまではよかったんだ。



ただ校門へと近づくにつれて周りからの視線は痛くなり、なにやらザワつき始めたのだ。




それもそのはず。


“イケメン転校生が、知らない女と2人で登校している”のだから。



他のことで頭がいっぱいだったせいですっかり忘れていた。



晴葵を初めとする3人は転校初日にも関わらず、校内で知らない人はいないほどの有名人になったのだ。




女子はみんな仲良くなって彼女の座を狙うために、今日の朝気合いを入れて晴葵たちを待っていたことだろう。



それかどうしたものか。



おそらく3人の中でも1番イケメンで万人受けの爽やかな晴葵が知らない女と歩いているではないか。




……はぁ。


学習能力ないな、私。




これじゃあ、中学の二の舞じゃないか。



その注目されている本人は何事もないかのように、気にする素振りを見せていない。