「そーゆーこと、誰彼構わず言わない方がいいと思うよ」
「ん?どれを?俺は思ったこと言ってるだけなんだけどなぁ」
まさかの天然タラシだった。
1番タチ悪いよ、それ。
「一緒に行くの、迷惑?」
いや、絶対わざとだよね?
こうすれば断られないってわかってるよね。
「……今日だけだからね」
断れない私も私だ。
前までならこんなのバッサリ断れたはずなのに。
晴葵と出会ってからおかしくなってしまったみたい。
まぁ、今のところ他に人の気配はしないし、警戒しながら登校しよう。
とりあえず見つかってしまったとしてもなんとかしよう。
人の多いところにでれば上手く撒けるはずだ。
晴葵の笑顔はちゃんと私が守るから。
