君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~

私は自分の手をギュッと握りしめて笑顔を作り、母の方へと向かった。

しばらく会っていない私たち。

私を忘れてくれていたらいいと思った。

私が死んだとき、母が悲しまなくて済むから。

でも、いざ母の後ろ姿を見たら・・・自分勝手な願いがわいてしまう。


「こんにちは」
後ろから母に声をかけて、私は車いすの前に進む。

しわの増えた母の顔。
穏やかなその表情。

母の着ているパジャマもカーディガンも私が送ったものだとすぐにわかる。
似合ってる・・・。母を想って、母に似あいそうなものを選んだ。