君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~

私は荷造りしたカバンを持ち、部屋を出た。
決してきれいでも新しくもないアパート。

独りで暮らすには十分な広さ。

大学を卒業してからずっと貯めてきた貯金やかなりの額の退職金がでたから、生活には困らない。
これからかかる医療費も心配はないと思う。

でも、私が死んだとき、後片付けが楽なように・・・
ここを選んだ。

まだ生きているのに、病気で自分が動けなくなった時のことや死んだ後のことを考えるなんて・・・。

私は立ち止まりそうになる自分に気が付いて、大きく深呼吸をしてから歩き出した。

新幹線に乗り込み2時間。

体力が落ち始めている私には大移動。