「なんかがあるんだろ。俺にも言えない何かが。」
海璃は何かを感じ取っている。

だからこそ、私は悟られたらいけないと思った。

涙を必死でこらえる。

「京香」
「・・・」
海璃は私の手を包み込んだまま私を見た。

「愛してる」
「・・・」



その言葉を言った切り、海璃は何も言わなかった。
ただ、私の体をしばらく抱きしめてから、何も言わずに私を車に乗せて家まで送ってくれた。