私の腰に手をあてた海璃がグイっと自分の方へ引き寄せる。
海璃に抱っこされているような体勢で座りると、海璃は真剣な表情で私を見つめる。

こんなにまっすぐにみられると本当のことが海璃に気づかれてしまうのではないかと不安になる。

絶対に知られてはいけない。

真実は知られたらいけない。


私は嘘の微笑みを浮かべたまま海璃の頬を自分の両手で包み込んだ。
「なんか悩んでんのか?」
「うんん。なくなった。今。」
「なんだよ、それ。」
私は海璃の頬を両手で包み込んだまま、心からの謝罪を込めて海璃の唇に口づけた。

ごめんね・・・嘘ついてごめんね・・・