「で?何があったんだよ」
夜になり、海璃はいつものように私の部屋に来ていた。
今夜は私がずっと食べたいと言っていたお店のテイクアウトメニューを海璃が買って帰ってきてくれた。

お腹を満たした私たちは一緒にお風呂に入り、今はソファに寄り添って座りまったりとお酒を飲み始めている。

タイミングをうかがっていたのか、落ち着いてから話をしたかったのか海璃は今になって話を切り出した。

「何もないよ?」
「んなワケあるか。俺を見くびんなよ?」
「ないって。」
「再検査の結果悪かったのか?」
本当に海璃は勘がいい。気を少しでも緩めたら海璃には何でもわかってしまうのだろうと思う。
私は手にしているワイングラスをテーブルに置いて、海璃の方を見た。

「何もないよ?ただ・・・」
「ん?」
「なんか疲れちゃっただけ。」