「ん・・・?」
感じた違和感に私は一口食べたパスタの味をかみしめる。
いつも通りの分量で作ったはずなのに・・・。

「どうした?」
「味がない・・味、薄かったね」
私の言葉に海璃が首をかしげる。

「ちゃんと味あるぞ?いつもよりも少し濃いくらいだろ」
「・・・またー。全然味、しないじゃん」
本当に味がしない。

真剣な私の言葉に海璃は手を伸ばし、私の額に手をあてた。
「熱はないな。」
心配そうな顔。
「本当に味、感じないのか?」

あまりに心配そうな顔の海璃に、私は思わず「冗談」と言った。


でも、冗談なんかじゃない。
なんの味も感じない・・・。