京香へ

これは俺からのラブレターです。
恥ずかしいから、俺がいないところで読んでほしい。

俺、本当は何度もあきらめていいと君に言いそうになった。
もう頑張らなくていいと言いそうになった。
ごめん。口ではあきらめるなって言っておきながら。

でも、京香は絶対にあきらめないでいてくれた。
出会ったころから強がりで、誰よりも努力して、唇かみしめて前だけを見て突き進んでいた京香。
俺はそんな少し危なっかしい京香に惹かれたんだ。
病気と闘う京香の姿は出会ったころと全然変わっていなくて、俺は心を惹きつけられるほどだった。まっすぐ未来だけ見て、諦めないで、頑張り続ける京香に、俺は京香を出会えて、愛し合えて、結婚できてよかったって心から思ったんだ。

俺たちには未来がある。これから続く未来がある。
お互いに年を取って、しわしわのおじいちゃんとおばあちゃんになっても。
二人で歩んでいこうな。生きていこうな。

これから先の人生はまだまだ長いからさ。
だから少しペースダウンして、ゆっくり歩いて行こうな。
二人で見る景色や世界を味わいながらさ。

京香、ここにもう一度誓います。

絶対にあきらめない。もう、二度とあきらめない。
二人で生きていくことを。歩いていくことを。未来を。

永遠に続く愛を、君に。


海璃