海璃はグイっとビールを飲むと「あーっ!!」とそう快感を声に乗せて空に届けた。

そして、そのまま椅子の背にもたれて、まぶしさに目を細めながら空を見上げる。

大きく大きく深呼吸をして、体に新鮮な空気を入れた。



流れる雲を見ながら、海璃は思いだす。

病院の庭で京香と抱きしめあったあの日から・・・

あっという間に3年が経っていた。


いろいろなことがあった。

辛いことも悲しいこともあった。

それでも流れていく時のように、流れ続ける雲を見ながら、海璃は思い出していた。


京香とのこれまでの日々を・・・