「海璃」
京香に呼ばれて俺は車いすをとめて、京香の正面にしゃがんだ。
「愛してるよ・・海璃」

少し照れたような表情の京香からの言葉に、俺は少し驚いてから
「俺の方がもっと愛してる」
と笑って京香を抱きしめた。




離さない。

絶対に離さない。


諦めない。


一緒にいる未来を
ふたりで一緒に歩む未来を

あきらめない。

そう何度も繰り返しながら、俺は京香を抱きしめ続けた。