少し動揺する私など気にせず、私の方へ近付く海璃。
どんどんと距離をつめてくる。

「なに?」
「顔色本当に悪い。具合悪いんじゃないか?」
海璃は私の頬に手をあてた。
「自覚症状全くない。ファンデーション塗りすぎたかな?」
本当に自覚がないことが海璃に伝わるように表情にあわらすと海璃は困ったような顔をした。

「最近やせただろ?」
「そう?うれしい」
「ばか。痩せすぎだ。胸がこそげるぞ」
「最低」
「それは冗談だけど、そのくらい変な痩せ方してるって言ってんだよ。別にダイエットしてるわけじゃないのに不自然に痩せてる。やつれてる。」
私は海璃からの指摘に確かにいつも着ているスーツたちのウエストが緩いと感じることが増えていると思っていた。
「気をつけます。」
心配を通り越して困った顔の海璃を安心させたくて私は微笑みながら、言う。