次の日。
海璃は緊張気味に私の主治医からの話を聞いていた。

私と同じ椅子に座り、膝に握りこぶしを置き前のめりで話を聞く海璃。
その表情が主治医の言葉に徐々にくもっていく。
初めて私が先生から余命を宣告されたときの姿と重なって心がずきずきと痛んだ。

海璃も・・・あの時と同じ絶望を今、感じているのだろうか・・・

でも、隣にいる私を気遣って、ちらりと私と視線が合うとぎこちなく微笑む。
その微笑みが余計に痛かった・・・

余命宣告をされてからすでに3か月がたっている・・・
確実に病気は私の体を蝕んでいる・・・。

入院をして治療をすることもできる。でもいわゆる対処療法だけだといわれた。
主治医から入院をするかどうかをすすめられた私の返事を遮って、海璃ははっきりとこういった。

「入院はしません。一緒にいます。」と。