「内緒。予約してある」
「えーどこどこ?」
「内緒だよ」
私が何度聞いても海璃は教えてくれなかった。

「楽しみにしてろ」
そう言って私を抱きしめる海璃。

病院の日は先生からの話に絶望することが多かった私。
不思議とそのあとに予定されている海璃の内緒の行き先が気になって、いつもよりは診察を怖がらずに済んだ。

海璃は先生から話を聞いてどんな顔をするんだろう・・・

「海璃」
少し不安になる気持ちの分だけ海璃を抱きしめる。

海璃も私の気持ちに気づいて強く抱きしめ返してくれる。