「もっと、ぎゅってして」
眠りから覚めても、まだ暗闇に引き込まれてしまうのではないかという恐怖は残っていて、私は海璃の背中に手をまわした。

海璃は私の体を抱き寄せてくれる。

「大丈夫だ。大丈夫。」
何度も耳元でささやいてくれる海璃の言葉に、私は生きていることを実感しながら目を閉じた。

「海璃」
「ん?」
私は海璃の胸の中で目を閉じたままずっと海璃に伝えたかったことを話し始めた。

海璃はどんな顔して聞いてくれているかわからない。
でも、どうしても伝えておきたいことがある・・・。