天の川にネガイゴトを

お礼を言うのが恥ずかしくて、最後の方なんかすっごく小さな声になってしまった。

『……僕は、ノヴァ。ただの魔法使いさ。君は?見た所、天川高校魔法学科の生徒さんかな?』

『……俺は、アルファルド。ノヴァの言った学科に通う2年生だ』

『あ、教えてくれるんだ。僕を警戒してるようだから、教えてくれないのかと思った。そっか、アルファルドね』

そうだ……ノヴァに会った次の日に、ヴィアに会って……。2人に、優しさを教えてもらって……。それで、ノヴァとヴィアに、ルトって名前を付けてもらったんだった!

「……大分思い出したようだね」

安心したように、ノヴァは笑う。でも、……俺の魔力が弱くなった理由が分からない。それに、何か大事なことを忘れているような……。

「……ルト、君の片目に入ってる星マーク。これは、封印なんだ」

俺を指さして、ヴィアは言った。……え?封印?

「覚えているかどうか分からないけど、君は自ら魔力を封印した。魔力が強すぎるせいで、誰かを傷つけてしまう、と……自分がすべての記憶を失うことを引き換えに」

「や、止めて……!それ以上は……っ!!」

無意識に、俺は叫ぶ。続きを聞いたらダメな気がしたから。

「私たちは、大丈夫だから。心配しないで?逆に、あの時……私たちはルトに助けられた。ありがとう。それを言いに来たの……ねぇ、ルト?もう過去に囚われないで」