天の川にネガイゴトを

……また後でって。

「会うこと前提なのかよ」

そう呟いて、俺は歩き始めた。それにしても、ノヴァとヴィアは何かを隠してるな。一体、何を……?

「止めてください!」

ノヴァとヴィアのことを考えながら歩いていると、路地裏に続く道の奥の方から声が聞こえてきて、俺は足を止める。

ドクン、と俺の心臓が嫌な音を立てたような気がした。

「……」

嫌な予感がして、俺は路地裏に向かって走る。

「……何をしてるんだ!」

1人の男の子が、ナイフを持った男性に襲われようとしていた。俺が声をかけると、2人は同時に

――お前らなんて、消えてしまえよ!

俺と同じ声が頭に響くと同時に、ズキンと頭に痛みが走る。

「……っ」

その様子を見たのか、男性はナイフを片手に俺を襲おうとした。どうしよう……男性を傷つける訳にも、武器を奪う訳にも行かないし……。

――他人なんて、絶対信用しねぇ!!

あ、あぁ……そうだ。全部思い出した!俺の本当の名前も、何もかも!

だから、俺はためらうこともなく男性のナイフを奪ってやった。そのナイフを、男性の喉元に突きつける。

「……ひっ」

男性は小さく悲鳴を上げて、震え始めた。笑いそうになったけど、頑張って耐える。