恋人ができると 生活は 急に 明るくなる。

麻里絵は 最高の恋人だった。


「あのね。祐一君。私 男の人と 付き合うのって 初めてなの。」

付き合い始めて すぐに 麻里絵は 言った。

「そうなの?高校生の頃とか 彼氏 いなかったの?」

驚いて 俺は聞く。

「うん。女子校だったから。だから。よくわかんなくて。」

「んっ?なにが?」

「付き合い方とか。」

「そんなこと 気にしなくていいよ。まりは 俺が好き?」

俺の言葉に 恥ずかしそうに 頷く。

「俺も まりが 好きだから。それだけで いいよ。」


麻里絵だけじゃなく 俺だって わからなかった。

愛するということも 好きな人を 大切にすることも。


俺達は できるだけの時間を 一緒に 過ごした。

バイトのシフトを 合わせて。

バイトがない日は デートして。


ちょうど 夏休みに入った時だったから。


手を繋いで 街を 歩いたり。

麻里絵の部屋で 一緒に ご飯を作ったり。


どんなに 一緒にいても 飽きることはなく。

俺は どんどん 麻里絵が 好きになっていった。