試験が 終わるのを待って 

俺は 麻里絵ちゃんに 聞くことにした。


帰りがけ 麻里絵ちゃんを 呼び止めて。

「麻里絵ちゃん ちょっといいかな?」

「んっ?なあに?」

振り向いた 麻里絵ちゃんは いつもと同じ笑顔で。


「麻里絵ちゃん 俺のこと 何か 怒ってる?」

「えっ?怒ってないよ?」

「でも 避けてるでしょう?」

「避けてないよ。」

「絶対 避けてるよ。どうして?」

俺が 少し 強い口調になると


「だって。あゆみさんが 変な事いうから…」

あゆみさんは 栄太さんの彼女で

麻里絵ちゃんを とても可愛がっていた。


「あー。栄太さんだ。言わないでって 言ったのに。」

俺は 急に 決まり悪くなって 口ごもる。

麻里絵ちゃんは 大きな目で 俺を じっと見る。


「あのさ。麻里絵ちゃん 彼氏いる?」

俺が聞くと 麻里絵ちゃんは 首を振る。

「じゃ 俺と 付き合ってくれる?」

思い切って言う俺に 麻里絵ちゃんは 頷いた。