縁なんて どこにあるか わからない。

心を開いて 自分から 求めれば。


幸せになることを 避ける必要なんて なかった。


瑞希は 可愛くて。久々の恋に 浮かれる俺。

社長の 許可を もらったから。

俺達は それまで以上に よく会った。


やっと キスに慣れた瑞希の

甘い唇に 翻弄されて。

大人の分別も 役に立たなくなって。


「瑞希。文化祭の日の 旅行の話し まだ 有効だよね?」

「えっ。うん。いいけど。」

瑞希は 戸惑いながら 頷く。

「ママには 俺が 許可をもらう?」

「いいよ。自分で話すから。」


そう言った後で 瑞希は 俺の目を じっと見る。

「祐一さん。前にも 言ったけど。私 祐一さんが 初めての恋人だから…」

わかっているよ。瑞希が 怖がっていることも。

「うん。大丈夫。心配しなくても。」


瑞希は 俺の師匠で。

俺に 恋愛のレッスンを するはずだったのに。 



今では すっかり 俺に 頼りきっていた。