社長は 自宅に電話をして 瑞希を呼ぶ。

俺が 来ていることを 知っている瑞希。

多分 叱られる覚悟で 事務所に来た。


「瑞希。そこに 座りなさい。」

社長の 毅然とした声に 瑞希は 俺の隣に座る。

こっそり 俺の顔を 探って 

成り行きを 知ろうとするけど。


「瑞希は あと2年 大学があるんだから。卒業するまで 子供は 作らないこと。」

俺が 瑞希に 何も言わないうちに 

社長は 俺達を見て 言った。


「ママ。」 「社長。」

俺と瑞希は 同時に声を出す。

瑞希を見ると 顔を 赤くしていた。


まだ キスしか してないのに。

戸惑う 俺達の顔を見て 社長は 察したようで。


「進藤君。しっかりしなさいよ。」

と俺に言った。


「あと。一つだけ。私に 隠さないで 会って。別に 止めないから。嘘ついて 一緒にいる時に 何かあったら その方が 困るから。」

社長の言葉に 瑞希は 神妙に頷く。

「ありがとうございます。瑞希のこと 大切にします。」

俺も言って 社長に頭を下げた。