車に 乗ってからも 瑞希は 少し おとなしい。

「ちょっと 遠回りして 帰ろうか。」

俺は 高台の公園に向かって 車を 走らせる。

「うん…」


「どうしたの 瑞希?元気ないね。」

瑞希は 何を 考えているのか。

手を繋いだだけで 動揺させて しまったか。

「ううん。何でもないよ。」

無理して 笑顔を見せる瑞希。


公園の駐車場に 車を停めて。

「ちょっと 散歩しようか。涼しくなったからね。」

俺は また 瑞希の手を 握った。


もう大人だから 焦っていたわけじゃないけど。


俺は 瑞希が 愛おしくて。

いつまでも 強がる瑞希を

素直に してあげたくて。


そろそろ 次のステップへ 行こうか。


黙って 公園の中を 歩きながら。

暗い木陰で 立ち止ると 

俺は 瑞希を 抱き締めた。


瑞希は 大人しく 俺に 凭れてくる。

俺の手は 瑞希の髪を滑り 背中を 撫でる。

瑞希の腕が 俺の背を 抱いた時

俺は 胸から 瑞希の顔を上げ キスをした。


軽く 唇に 触れては離し。

何度か 繰り返したあとで

俺は 瑞希の唇を 割った。


瑞希の体は 一瞬 堅くなり すぐに 力が抜けて。

俺は 片手で 瑞希の腰を 支え 片手で 頭を抱く。


愛情を持って キスをする感触の

甘いときめきを 俺は 思い出し。

暴走しそうになる 自分を 必死で抑えた。


もう 大人だから…