瑞希は 第一印象通り 繊細で臆病な 女の子だった。

精一杯 強がって 大人ぶっているけど。


瑞希の表情をよぎる 一瞬の寂しさが

俺の心を 掴んで 離さない。



出会った頃の 麻里絵は 太陽のような女の子だった。

明るくて 一点の曇りもなく キラキラ輝いていた。


麻里絵の 眩しいほどの 幸せなオーラが

一緒にいる俺のことも 輝かせていた。


当時の俺も 麻里絵と同じだったから。

自分の人生に 暗いことがあるなんて

考えもしないで 生きていた。



瑞希は 寂しさを 知っている。

運命の前では どれほど 自分が無力かも。

だから 俺は 一緒にいると 癒された。


今時の 女の子らしく 大胆で 不躾だけど。

本当は とても控え目で。

絶対に 邪魔にならないように 気を配っていた。


瑞希は 何も 失いたくないと 思っている。

持っていたものを 次々と 失ってきたから。

瑞希のせいじゃ ないのに。

どこかで 自分を 責め続けている。


俺は 瑞希に 希望を与えたいと 思い始めていた。

瑞希が 俺の 希望になっていたから。