瑞希ちゃんとの デートは 無邪気で楽しかった。


瑞希ちゃんの 希望通り 子供扱いしないで。


水族館では あどけない笑顔で はしゃいでいたのに。

夜景の見える レストランに 落ち着くと

瑞希ちゃんは 少し ソワソワしていた。


「進藤さん。ワインとか 飲まないの?」

「車だから。瑞希ちゃんを 安全に 送らないとね。」

「へぇ。案外 真面目だね。そういうことじゃ ダメだよ。私を 酔わせて 部屋で 休もうとか 言わないと。」

「さすが 師匠。でも俺 お酒のせいにするのは 嫌だなぁ。お互いの気持ちが 高まって。自然にっていうのが いいんだけど。」


料理が 運ばれて ゆっくり食べながら。

「そんなことじゃ 他の人に 取られちゃうよ。今は スピード感が 大事なんだから。」

この子は 今夜 俺と 泊まってもいいと 思っている?


「そうかな。でも そういう恋って 長続きしなくない?」

俺は 瑞希ちゃんを尊重して。

控え目に 問いかけてみる。


「進藤さん。真剣な恋が したいの?」

「もちろん。大切に思える人と 大切に恋したいよ。」


俺が言うと 瑞希ちゃんは じっと俺の目を見る。

『それが 私?』

声にならない 瑞希ちゃんの 心の言葉を

俺は 聞き取ってしまう。



微かに 微笑んで 俺が頷くと 

瑞希ちゃんは スッと頬を染めた。