「ねぇ。千佳ちゃん。そんなに飲んで 大丈夫?」

麻里絵の悪口を 次々 言ってくる千佳。

俺は ほとんど 聞いていなかったけど。


「だから。祐一君は 人が良すぎるんです。だから。麻里絵に付け込まれて。利用されているのも 気付かないで。」

千佳の目から 涙が流れて。

「だいたいね。麻里絵が 処女だったからって。祐一君 責任感じること ないんだから。麻里絵だって いい思いしているんだし。」


千佳は だんだん 呂律が回らなくなる。


「ねぇ。千佳ちゃん。もう飲まない方が いいよ。」

「大丈夫です。飲まないで いられないって。」

千佳は また おかわりを 注文した。


「悪いけど。俺 帰るよ。明日も バイトだし。麻里絵のことは もういいから。今日 千佳ちゃんが 俺に言ったこと 麻里絵が帰ったら ちゃんと聞くから。」

「逃げるんですか?いいですよ。それじゃ。私も 帰るから。」


立ち上がった千佳は 足がもつれて 倒れ込む。


俺は ため息をついて 千佳を起こす。


半分 意識を失ったような千佳を 抱えて。

俺は 会計をして 店をでた。