布団被って寝ているいつもの彼。

ベッドに近付くためにしゃがみこんで、いつものように布団を捲った私。


『ナオフミさん、お休みだけど、子供達と朝ごはん・・・うわっ!!!』

「・・・・あっ、伶菜、おはよう。」

『なんで?裸?!』

「あ~、昨日の夜、シャワーを浴びて、そのまま・・・?」


がっちりとした彼の上半身から目を逸らせずドキドキしている私とは対照的に、寝起きなせいか、髪をかき上げながら昨晩の行動を想い起こそうとしている彼。

病院の外来診察室での爽やかな彼とは異なる、大人の男特有なフェロモンが漂う彼に、いまだに胸がきゅんきゅんしてしまう私がいる。


「前髪、切った?かわいいな。」

寝そべったまま、私の前髪を摘み上げながら微笑む彼に、あっという間に唇を奪われた。


『ちょっと、ナオフミさ』


唇を確保されたまま、私の後頭部に回されていた彼の大きな手は背中まで移動していて、その手で私の体は彼のほうにぐっと引き寄せられる。


「あ~食べたいな。」

『朝ごはんならできてるよ・・・』

「伶菜を食べたい。」


陽菜を出産した時に生死を彷徨った私を気遣ってか、産後しばらくの間はこんなあまあまなやりとりはなかったけれど、私の体調が戻り、復職を果たした最近はちょっと違う。