「え、好きなのにしていいの?」

「・・・・・スキにやっちゃってください。」




スキにやっちゃってくださいって、
しかも、凄い親しげなやりとり。

Yシャツの肩に紺色のネクタイの裾とIDカードのネックストラップをひっかけていて、つんつんと短い髪が逆立っている黒髪の男。
後ろ姿は若造に見える。

しかも、その男、伶菜のほうに肩を寄せた!!!!!

これってどういうことだ?



「えっ、純平くんのスキに食べちゃっていいの?」

「・・・・・はい。スキに」

『そこまでだ!!!!』

「・・・・・へっ?」



ふたりのやり取りを離れた場所から把握しきれなくなった俺はもう少しで伶菜の肩に触れそうになっているその男の肩を引き剥がすように大きく右側方へ動かした。