わたしの本当の王子様は、誰?



「さわらないで!」

そして手が叩かれた。



「ま、み・・・」


ねえ、わたしどうしたらいい?

わたし真美のこと助けてあげたいのに。

なにもできない自分が本当に腹立たしい。



「ごめん、愛鳥、ごめん」

謝らないで。そんなつらそうに、謝らないで。




「真美、これ買ってきてやったぞ。ほら」

そのときさっきわたしを家にいれてくれた男の声がした。

階段をあがってくる音が。



「・・・こ、ないで」

さっきと同じ。わたしがきたときと同じ。

わたしは急いでドアのカギをかけた。