「いいよ、俺今日浴衣じゃないし。余ったら食ってやる」


俺って、とことん甘い。愛鳥には特に。


「いいの!ありがとう!神!」


でもクレープのときもそうだったけど、こうして目を輝かせる愛鳥がかわいいと思ってしまうから。




「愛鳥歩くのはやすぎるよな」

「ほんと、はやい」

浴衣のくせに、歩きづらいくせに、なんであんなに早いんだ。

いつの間にか俺たちなんて目もくれず。

ただ迷子になったとしても今は携帯という素晴らしいものがあるから、そこまで俺は心配してない。


それよりも、今はこうして真美と2人きりになれたほうがよかったから。