「健人くん、ありがとな」

「全然。楽しかったし」


車の中でぐっすり寝ている愛鳥。

俺の両親はこれから少し寄り道して帰るからなんて勝手なことをいったので俺は愛鳥たちの車に乗せてもらって先に帰っている。


「すいません、車まで」

「はは、あいつらはいつも自由人だったからな。高校のときから。もう慣れたよ」


ああ、そっか。

なんかイメージが湧かない。

母さんも父さんも、愛鳥のお母さんお父さんも、高校生時代があったんだな。


それって当たり前のことなんだけど、自分が生まれたときには親だからイメージが全然できないんだよな。