真美の言葉を思い出す。


―――「転校生くんに言われたらしいよ。気安くしゃべりかけんな、ブス。ってさ」


嫌な予感がした。



「がんばれよー」

呑気にそういった男子を無視して俺はそこら中を探した。


電話もつながらないし。どこいったんだよ。


空き教室、屋上、図書室、音楽室、絶対いないだろってところまで隅々探した。


でも、みつからない。




「もしもし?」

やっと、繋がった。

その声は思ったよりも普通で安心。

体育館裏なんて、まさか。

外だとは思わなかった。

下駄箱までいって愛鳥の靴をみればよかったと後悔した。

でも、もういい。

なにもなかったなら、それで。