その優しさに答えられない自分がとても憎い。

まだ、桐生くんのことを王子様だと思ってしまう自分が、憎い。

あれだけひどいことを言われたのに、いまだ桐生くんが心の中にいる自分が憎い。


でも、なんとなく彼が抱えているなにかを知りたかった。

わたしのことをそこまで嫌う理由を、ちゃんと知りたい。

それを知ってからでも遅くはない気がする。



「かえろっか」

「うん」


わたしの王子様は、誰だろう。


健人?桐生くん?それとも全く別の人?



わたしは、誰のお姫様になるのかな。